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DeathPlayerHunterカノン[降魔への序曲] EPISODE Final
「んー……おはよ」
「お早う」
目を擦りながら宿屋を下りてみると。
「……何で」
―――いや、レンがいるのはまあいつも通りだからいいんだけど。
カノンはその場でテーブルの周辺を見回した。
あの後。
まさか大騒ぎのホテルに泊まり続けるのも気が滅入るので宿を変え、WMOと政団それぞれに事情聴取を受けること一週間。
WMOの方はローランの口利きで短く済んだが、政団の方はそうはいかない。
それどころか以前、死術狩りをやっていたことが明るみに出て、現場検証にまで協力させられた。
ルナの方と言えばWMOでの始末が大変だったらしく、政団の方に顔は利かせられず。
結局、予定外の一週間を過ごす羽目になり、今日、やっとこの後味の悪い町を去ることが出来るようになったのだが。
ようやく戦いの疲れも取れて、爽やかな朝だと言うのに。
椅子の下に伸びているシリアと、満面の笑みで絡んでくる気満々のアルティオ、そしてすっかり旅支度を整えたWMOで寝泊りしていたはずのルナ。
ぐるり、と首を回して、話が通じそうな相手を探す。
行き着いた先のルナに顔を向け、
「何であんたがいるの……?」
「まー、嫌そうな顔してないで。とりあえず座んなさいv」
―――言われなくてもそうするけどさ……
嫌な予感に頭を掻きながら席に着く。とりあえず、置きぬけのジュースを注文してからカノンはルナの方へ向き直った。
「まずは事後処理ね。
丸く、は収まってないけど、とりあえず一段落は着いたわ。もうここを発ってもいいって」
「そりゃあ、もう一週間だし……いい加減、出してくれないと困るわよ……」
「まあね、だからあたしも解放されたわけだけど。
結局、WMO側は全職員の人事見直し。支部長も別の人に変わって、ローランさんはまあ、事後の事件処理に協力的だったってことで厳重注意処分。どっかのイナカに隠居するってさ」
「……」
ローランの胸中を理解できる人間はいないだろう。孫を止められなかったばかりか、あんな形で肉親を失ったのだ。
今、どんな心持なのか、カノンには知る術などない。
「で、ね。全部の事を操ってたあいつのことなんだけど……」
ひくり、と無表情を保っていたレンの眉が動く。カノンもアルティオも無意識に身を乗り出して、しかし、ルナは苛立ちに髪を掻き揚げながら、
「……手がかりがまったくなし。クロードの私室にも、クレイヴの部屋にも、身元がわかるような痕跡はない。あるとすれば、町の人がそういう恰好の人を見かけた、なんていう役に立たない目撃証言だけ、それも場所なんて特定されてないから、何も分析できない、ってのが現実」
食堂内に脱力の息が漏れた。
「けど、あいつが件に関わってたのは確かなんでしょう?」
「うわ、生きてた」
むくり、と起き上がってきたシリアに軽く驚きながら、
「だったら、それこそ大陸のデータバンクでも何でも使って身元を割ればいいじゃない。あんな人間そうぽこぽこいてたまるものですか」
「……人間、だったらいいがな」
最も聞きたくない言葉だ。全員が顔を上げて声を発したレンを見る。
「他人の作った魔道生物を暴走させる、くらいならともかく、シリアたちの話にあった合成獣を一斉に塵に帰る―――なんてことが普通の人間に出来ると思うか?
あまつさえ、最後を見ただろう。あの消え方が人間に出来る消え方か?」
「じゃあ、あれは何だってのよ?」
「それはわからん」
「どうにせよ、"ただの人間"てわけじゃないみたいね……」
低い声でルナが漏らす。カノンの頼んだジュースをウェイトレスが運んできたことで、一瞬、全員の声が途切れる。
その後も続いた沈黙に、
「……あの人、ね」
ぽつり、とカノンがジュースをちびりと飲みながら言う。
「ゼルゼイルの貿易場にいた」
「!」
「……だから、ひょっとしたら、クロードの思惑から考えても、関係のある人なのかもしれない……。
けど……」
「けど?」
「けど……何ていうのかな。よくわかんないけど、悪い人間じゃなかった気がするのよ、少なくともそのときは、だけど……」
「おいおい、正気かカノン。お前だって見ただろ? あいつ、顔色一つ変えないで……」
一週間前の情景を思い出してか、アルティオが身震いする。カノンは溜め息を吐いて、
「わかってるんだけどね」と口にした。
「……もとより、あれが何なのかは詮索しても仕方が無い」
再び下りた沈黙を、レンが破る。
「最後に言っていただろう、『また』と。
こちらとしても願い下げだが、また何かしがの手を打ってくる可能性がある。だが、それがいつかなどわからない、向こうの正体もわからない以上、いつも通りに過ごすしかない」
「あんたって本当に……」
「何か異論あるのか?」
「いや、ないけどさ……」
―――本当に、身も蓋もないというか。
だが。
彼の談が間違っているわけではない。
どうにしろ、カノンとしてはいつも通りに、過去のことは過去のこととして過ごしていくしかないのだ。
「レン」
「何だ?」
「……ありがと、少し根詰めてた」
肩を竦めて言うと彼は呆れたような息を吐き出して、コーヒーい口をつけた。そのいつもと変わらぬ様子に、勢いづけてカノンはジュースを……
「ちょっとお待ちなさい」
飲み干そうとして。
伸びた細い手に邪魔された。
「何、勝手に二人で完結して雰囲気作っているのかしら? 私たちがいること忘れてるんじゃあないわよ?」
「別に雰囲気なんて作って……って、顔近いって」
詰め寄ってきたシリアを押し返して、テーブルへ肘を付く。
「で、あんたたちはこれからどーすんのよ?」
「ふっ、最初に言わなかったかしら?」
「はぁ?」
「言ったはずよ、この私が来た以上、レンとの二人で駆け落ち道中なんて許さないって! どこかの泥棒猫には不釣合いだわッ!!」
「だから、駆け落ちじゃないって言ってるでしょーがッ!! ってか泥棒猫って何よッ!? 人聞きの悪いッ!!」
「まあまあ、カノン」
「あんたも仲裁に見せかけてややこしいとこ触ってんじゃないッ!!
って、そういうことはやっぱりあんたも付いて来る気なわけ……?」
「ふっ、当然だな。
お前をあんな得体の知れない奴が狙っているとなれば、か弱い姫には屈強なナイトが必要だろう?」
「……いや、頑丈なのは認めるけどあんたは騎士ってより山賊の親分やってた方が似合いそ……」
「ということで! この先、二人っきりで旅が出来るなんて夢は見ない方がいいわよ! ほーっほっほっほ!」
「あー……やっぱりこうなるわけね……」
げっそりと肩を落して首を振る。相棒と言えば、もう諦めているのか何なのか、先程からコーヒーをすするばかりで関心を示さないし。
「あっはっは、こんだけ大所帯だと大変よねぇ。五人旅、ってのは割と初めてじゃなーい?」
「まあね……って、五人ッ!? ルナ、あんたまで付いて来る気ッ!?」
「とーぜんでしょ。まだ『ヴォルケーノ』の密輸経路がわかったわけじゃないんだし。
あいつはあんたたちの周辺を狙ってる、とくれば付いてくのが一番の上策じゃない」
「ま、まあそうかもしれないけど……」
「まー、ともかく何はともあれそうと決まれば腹ごしらえね! 景気を兼ねてカノンの奢りでッ!
ってことでおばちゃーん! あたしモーニングセットBと本日のデザート二皿! アイス大盛りで!!」
「こら、ちょっと待てッ!!」
「ふっ、ならこっちは地鶏の焼きビーフンセットとロイヤルミルクティーを貰おうかしら? レンは何がいーい? 私が食べさせてあげるわよv」
「死んでいろ。こっちにはモーニングセットのAを頼む。ツケはこっちでな」
「待て、あんたまでッ!!」
「俺もッ、モーニングセットA、B両方と、ああ、ライスは大盛りで! 後は……」
「ちょっとこら! そんな予算どこに……って、こら! ……あーもう!
人の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」
朝日の差す宿屋の一階に、少女の絶叫が高らかに響き渡った。
その相棒の叫びを聞きながら、レンはふとカップの中の黒を覗く。
『灰になったら、行けるでしょう?』
―――下らん。
あの浜の少年の戯言は、一体何だったのか。
胸を掠めた疑問はしかし、そう残すものではないと知っていたがために。
彼は朝日の中に小さな疑念をそっと溶かして消した。
―――名前を呼ばれている。
最も、厳密には名前を呼んでいるわけではなくて、呼び名と言うか何と言うか、ともかく好きなように呼べばいいと言ったときに彼が口にした呼び名。
名前ではないが自分を呼んでいることくらいは解る。
応えてうっすらと目を開けて、だが横たえた身は起こさぬままで。
逆光の空をバックに、見覚えのある顔が、こちらを覗きこんでいた。
「やっと起きやがった! 何でこんなところで寝てんだよ!!」
憮然と膨れている。
ただ、人気の無い日陰の石畳に寝転がるというのは彼の美学によほど反したものだったらしい。それでも小さく息を吐くだけで、身は起こさずに、
「そんなに退屈だった?」
「退屈も何も、やることねぇし! ささっと仕事は終わらせちまうしさーッ! 一体、何だったんだよ!!」
活動的な性格に、ここ数日の暗躍染みた行動はどうにも我慢できないものだったらしい。
視界で喚きたてる姿に、くすくすと笑いを漏らす。
「ただの下準備だよ。どんなことにも下地は必要。君の力が不要なものだったんじゃない。ただ仕事の方が役不足だっただけさ」「じゃあ、なんでこんなとこに来なきゃいけなかったんだよ」
不満たらたら、溢し続ける彼にくすり、ともう一度笑みを向け、視線を移す。うみねこの鳴く空が、白い雲に霞んで見えた。
澄み切ったその青に、少年は注がれる日光を遮るかのように手を翳し、
「これからが本番だよ―――そうなれば、今度は君の出番だ」
―――そう、本番だ。
空に瞬く青へ宣告するかのように。
少年は片眼の視界に、再び瞼を閉じた。
口元に、かすかな微笑みを携えながら。
←11へ
「お早う」
目を擦りながら宿屋を下りてみると。
「……何で」
―――いや、レンがいるのはまあいつも通りだからいいんだけど。
カノンはその場でテーブルの周辺を見回した。
あの後。
まさか大騒ぎのホテルに泊まり続けるのも気が滅入るので宿を変え、WMOと政団それぞれに事情聴取を受けること一週間。
WMOの方はローランの口利きで短く済んだが、政団の方はそうはいかない。
それどころか以前、死術狩りをやっていたことが明るみに出て、現場検証にまで協力させられた。
ルナの方と言えばWMOでの始末が大変だったらしく、政団の方に顔は利かせられず。
結局、予定外の一週間を過ごす羽目になり、今日、やっとこの後味の悪い町を去ることが出来るようになったのだが。
ようやく戦いの疲れも取れて、爽やかな朝だと言うのに。
椅子の下に伸びているシリアと、満面の笑みで絡んでくる気満々のアルティオ、そしてすっかり旅支度を整えたWMOで寝泊りしていたはずのルナ。
ぐるり、と首を回して、話が通じそうな相手を探す。
行き着いた先のルナに顔を向け、
「何であんたがいるの……?」
「まー、嫌そうな顔してないで。とりあえず座んなさいv」
―――言われなくてもそうするけどさ……
嫌な予感に頭を掻きながら席に着く。とりあえず、置きぬけのジュースを注文してからカノンはルナの方へ向き直った。
「まずは事後処理ね。
丸く、は収まってないけど、とりあえず一段落は着いたわ。もうここを発ってもいいって」
「そりゃあ、もう一週間だし……いい加減、出してくれないと困るわよ……」
「まあね、だからあたしも解放されたわけだけど。
結局、WMO側は全職員の人事見直し。支部長も別の人に変わって、ローランさんはまあ、事後の事件処理に協力的だったってことで厳重注意処分。どっかのイナカに隠居するってさ」
「……」
ローランの胸中を理解できる人間はいないだろう。孫を止められなかったばかりか、あんな形で肉親を失ったのだ。
今、どんな心持なのか、カノンには知る術などない。
「で、ね。全部の事を操ってたあいつのことなんだけど……」
ひくり、と無表情を保っていたレンの眉が動く。カノンもアルティオも無意識に身を乗り出して、しかし、ルナは苛立ちに髪を掻き揚げながら、
「……手がかりがまったくなし。クロードの私室にも、クレイヴの部屋にも、身元がわかるような痕跡はない。あるとすれば、町の人がそういう恰好の人を見かけた、なんていう役に立たない目撃証言だけ、それも場所なんて特定されてないから、何も分析できない、ってのが現実」
食堂内に脱力の息が漏れた。
「けど、あいつが件に関わってたのは確かなんでしょう?」
「うわ、生きてた」
むくり、と起き上がってきたシリアに軽く驚きながら、
「だったら、それこそ大陸のデータバンクでも何でも使って身元を割ればいいじゃない。あんな人間そうぽこぽこいてたまるものですか」
「……人間、だったらいいがな」
最も聞きたくない言葉だ。全員が顔を上げて声を発したレンを見る。
「他人の作った魔道生物を暴走させる、くらいならともかく、シリアたちの話にあった合成獣を一斉に塵に帰る―――なんてことが普通の人間に出来ると思うか?
あまつさえ、最後を見ただろう。あの消え方が人間に出来る消え方か?」
「じゃあ、あれは何だってのよ?」
「それはわからん」
「どうにせよ、"ただの人間"てわけじゃないみたいね……」
低い声でルナが漏らす。カノンの頼んだジュースをウェイトレスが運んできたことで、一瞬、全員の声が途切れる。
その後も続いた沈黙に、
「……あの人、ね」
ぽつり、とカノンがジュースをちびりと飲みながら言う。
「ゼルゼイルの貿易場にいた」
「!」
「……だから、ひょっとしたら、クロードの思惑から考えても、関係のある人なのかもしれない……。
けど……」
「けど?」
「けど……何ていうのかな。よくわかんないけど、悪い人間じゃなかった気がするのよ、少なくともそのときは、だけど……」
「おいおい、正気かカノン。お前だって見ただろ? あいつ、顔色一つ変えないで……」
一週間前の情景を思い出してか、アルティオが身震いする。カノンは溜め息を吐いて、
「わかってるんだけどね」と口にした。
「……もとより、あれが何なのかは詮索しても仕方が無い」
再び下りた沈黙を、レンが破る。
「最後に言っていただろう、『また』と。
こちらとしても願い下げだが、また何かしがの手を打ってくる可能性がある。だが、それがいつかなどわからない、向こうの正体もわからない以上、いつも通りに過ごすしかない」
「あんたって本当に……」
「何か異論あるのか?」
「いや、ないけどさ……」
―――本当に、身も蓋もないというか。
だが。
彼の談が間違っているわけではない。
どうにしろ、カノンとしてはいつも通りに、過去のことは過去のこととして過ごしていくしかないのだ。
「レン」
「何だ?」
「……ありがと、少し根詰めてた」
肩を竦めて言うと彼は呆れたような息を吐き出して、コーヒーい口をつけた。そのいつもと変わらぬ様子に、勢いづけてカノンはジュースを……
「ちょっとお待ちなさい」
飲み干そうとして。
伸びた細い手に邪魔された。
「何、勝手に二人で完結して雰囲気作っているのかしら? 私たちがいること忘れてるんじゃあないわよ?」
「別に雰囲気なんて作って……って、顔近いって」
詰め寄ってきたシリアを押し返して、テーブルへ肘を付く。
「で、あんたたちはこれからどーすんのよ?」
「ふっ、最初に言わなかったかしら?」
「はぁ?」
「言ったはずよ、この私が来た以上、レンとの二人で駆け落ち道中なんて許さないって! どこかの泥棒猫には不釣合いだわッ!!」
「だから、駆け落ちじゃないって言ってるでしょーがッ!! ってか泥棒猫って何よッ!? 人聞きの悪いッ!!」
「まあまあ、カノン」
「あんたも仲裁に見せかけてややこしいとこ触ってんじゃないッ!!
って、そういうことはやっぱりあんたも付いて来る気なわけ……?」
「ふっ、当然だな。
お前をあんな得体の知れない奴が狙っているとなれば、か弱い姫には屈強なナイトが必要だろう?」
「……いや、頑丈なのは認めるけどあんたは騎士ってより山賊の親分やってた方が似合いそ……」
「ということで! この先、二人っきりで旅が出来るなんて夢は見ない方がいいわよ! ほーっほっほっほ!」
「あー……やっぱりこうなるわけね……」
げっそりと肩を落して首を振る。相棒と言えば、もう諦めているのか何なのか、先程からコーヒーをすするばかりで関心を示さないし。
「あっはっは、こんだけ大所帯だと大変よねぇ。五人旅、ってのは割と初めてじゃなーい?」
「まあね……って、五人ッ!? ルナ、あんたまで付いて来る気ッ!?」
「とーぜんでしょ。まだ『ヴォルケーノ』の密輸経路がわかったわけじゃないんだし。
あいつはあんたたちの周辺を狙ってる、とくれば付いてくのが一番の上策じゃない」
「ま、まあそうかもしれないけど……」
「まー、ともかく何はともあれそうと決まれば腹ごしらえね! 景気を兼ねてカノンの奢りでッ!
ってことでおばちゃーん! あたしモーニングセットBと本日のデザート二皿! アイス大盛りで!!」
「こら、ちょっと待てッ!!」
「ふっ、ならこっちは地鶏の焼きビーフンセットとロイヤルミルクティーを貰おうかしら? レンは何がいーい? 私が食べさせてあげるわよv」
「死んでいろ。こっちにはモーニングセットのAを頼む。ツケはこっちでな」
「待て、あんたまでッ!!」
「俺もッ、モーニングセットA、B両方と、ああ、ライスは大盛りで! 後は……」
「ちょっとこら! そんな予算どこに……って、こら! ……あーもう!
人の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」
朝日の差す宿屋の一階に、少女の絶叫が高らかに響き渡った。
その相棒の叫びを聞きながら、レンはふとカップの中の黒を覗く。
『灰になったら、行けるでしょう?』
―――下らん。
あの浜の少年の戯言は、一体何だったのか。
胸を掠めた疑問はしかし、そう残すものではないと知っていたがために。
彼は朝日の中に小さな疑念をそっと溶かして消した。
―――名前を呼ばれている。
最も、厳密には名前を呼んでいるわけではなくて、呼び名と言うか何と言うか、ともかく好きなように呼べばいいと言ったときに彼が口にした呼び名。
名前ではないが自分を呼んでいることくらいは解る。
応えてうっすらと目を開けて、だが横たえた身は起こさぬままで。
逆光の空をバックに、見覚えのある顔が、こちらを覗きこんでいた。
「やっと起きやがった! 何でこんなところで寝てんだよ!!」
憮然と膨れている。
ただ、人気の無い日陰の石畳に寝転がるというのは彼の美学によほど反したものだったらしい。それでも小さく息を吐くだけで、身は起こさずに、
「そんなに退屈だった?」
「退屈も何も、やることねぇし! ささっと仕事は終わらせちまうしさーッ! 一体、何だったんだよ!!」
活動的な性格に、ここ数日の暗躍染みた行動はどうにも我慢できないものだったらしい。
視界で喚きたてる姿に、くすくすと笑いを漏らす。
「ただの下準備だよ。どんなことにも下地は必要。君の力が不要なものだったんじゃない。ただ仕事の方が役不足だっただけさ」「じゃあ、なんでこんなとこに来なきゃいけなかったんだよ」
不満たらたら、溢し続ける彼にくすり、ともう一度笑みを向け、視線を移す。うみねこの鳴く空が、白い雲に霞んで見えた。
澄み切ったその青に、少年は注がれる日光を遮るかのように手を翳し、
「これからが本番だよ―――そうなれば、今度は君の出番だ」
―――そう、本番だ。
空に瞬く青へ宣告するかのように。
少年は片眼の視界に、再び瞼を閉じた。
口元に、かすかな微笑みを携えながら。
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この記事にコメントする
DPHカノン「降魔への序曲」感想
サイトにお邪魔して書きこませていただくのは、もしかしたら初めてですかね? ちょっぴり緊張しています。
こんにちは。「白砂の社」日和小春です。
ようやっとDPHカノン「降魔への序曲」を読了いたしましたので、感想を書き込みにまいりました。
前々からリク作品だとか、ギャラリーをちらちら鑑賞させていただきながら、香月さんの長編をじっくり読ませていただきました。
そして感想をちまちまメモして、やっとここまで…涙。とろい自分が情けなくもなりましたが、その分カノン達の冒険を長く味わえたのでよしといたします(`・ω・´)
拙い感想かもしれませんが、私が思ったこと、印象にのこったことなどなどを綴らせていただきますね。
【EPISODE1】
最初の入りから笑わせていただきました。流石香月さんです。
アルティオとシリアの歪みなさには、いっそ清き清しいほどの眩しい何かが感じられます。そして、レンとカノン、「世界最大の害悪」とまで言い切るか(笑)
そんな颯爽とした始まりに、胸躍らせて物語に旅立たせていただきました。
リゾート地かー。よくレンが行くのに納得したなーとかこっそり思ったのですが、後々微笑ましい理由が解明した際には存分ににやけさせていただきました。
次にアルティオとシリアと再会…かと思いきや、レン逃げるの早!!! なんて素早い身のこなしなのでしょうか。拍手せずにはいられません。
梧作品の魅力の一つをあげるとするならば、まずはキャラの掛け合いですね。打てば響き、むしろ放てば弾け返ってくるとでもいいましょうか。それほど小気味良いテンポなのです。
《「げほっ……誰のせいだと、けほっ、思ってんのよ! ったく、何を言い出すかと思えば……
ンな馬鹿なことあるわけ……」
怒鳴りかけたカノンの言葉が、唐突に切れた。
ふと。
言いかけた瞬間に、ある光景が頭を掠める。
さほど昔のことではない。第二政団を打ち倒した、その直後――》
これは、一体何があったのでしょう。気になるところです。どうも黒背景だと読むのがかなり遅くなるので、ブログの方を中心に見させていただいているのですが、むー…こちらを攻略したら、「novel」の方に挑戦したいですね。
この話で一番ツボに入ったのはクレイブさんでした。金髪に翡翠の瞳の超絶麗人。しかも御曹司。なのにきょどきょど。これはかなりくらっとさせていただきました。まあ梧作品での一番好きなキャラはレアシスなんですけれどもね。(←
そして携えてきたのは事件の依頼! 何が始まるんでしょう。ドキドキしながらページを捲ります。
【EPISODE2】
シリアに爆笑させていただきました。「割と」て(笑) 美少女ながらに、滑りにボケ、そして頭脳やプロポーションまでもが完璧なシリア嬢が大好きです。
さてはて合成獣(豪勢重って出て来る私のキーボードェ……)ですか。異世界FTをがっつり読むのは本当に久しぶりなので、FTワードにわくわくしっぱなしです。
生い茂る藪にキャーキャー言ってるシリアに微笑ましくなりつつ、蔦の生えた古いお屋敷の登場に少し背筋が寒くなりました。
異世界、または洋風FTに縁遠かったせいが、出て来る単語ひとつひとつが新鮮です。合成獣はもちろん、石哺獣(ガーゴイル)も。自分の知識の無さに辟易しつつも、言葉としてだけ知っていたガーゴイルをぐぐったり、やふったりする時間が楽しかったです。香月さんのFT解釈を是非お聞きしたいものです。
《慌ててぼうっと門前に突っ立っていた二人を塀の裏側へ押し出し、もしくは蹴り倒し。》
ひどい。だが素敵!(笑) 地の文でも失われないテンポの良さに惚れぼれいたします。私は地の文が単調になってしまいがちなので、見習いたい部分でもあります。
《「はー、すっきりしたー。やっぱり何かありそうだったら強行突破がストレス溜まんなくていいわねーv」
――……って、いうか。
「やっぱりあんたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
づどむっ
怒り任せに放ったカノンの飛び蹴りは鮮やかな直線と共に門を吹き飛ばした張本人――魔道師ルナ=ディスナーの頭へと突き刺さった》
鮮やかで思い切りのいいそれでいて容赦のないルナちゃんの登場には「きたきた♪」な気分でした。しかし直後の飛び蹴りは予想がつかなかった。思い切り笑わせていただきました。
【EPISODE3】
レンとカノンにルナが揃うと、何かが起こりそうで胸が高鳴りますね。それから、必ず笑わせていただいてます。ありがとう幼馴染組。
加えて、炭と化し、焦げたまま動かないシリアとアルティオにささやかではありますが、合掌。
カノンとレンの応酬も好きですが、レンとルナの掛け合いも気兼ねしない幼馴染って感じで大好きです。
レンの毒舌に痺れますねー。でも女の子に「猛獣」はあかんですよ。ツンデレおいしいですもぐもぐ。
かくして現れる合成獣。あばばばば、香月さんの描写はダイレクトに読者へイメージを伝えてくれるので、シリアと同じく悲鳴をあげたくなりました。伸びて来る蔦って…! 下半身が蔦って…!(涙
そして来ました。私が一番待ち望んでいた戦闘シーン! 臨場感たっぷりの戦闘シーンを追いかけるのが、すっごく楽しいのです。梧作品の魅力にまたひとつくわえさせていただきます。
仲間との連携もさることながら、武器をかかげて駆け抜けるカノンは、あふれ出るエネルギーみたいなものを感じさせてくれます。
そして、やはり容赦のないレンだったのでした…(笑)
【EPISODE4】
クレイヴさん…。どこまでも私をツボにさせる人…。「そーなんですかー…」ってOH……(笑)
とりあえずカノンPT御一行お疲れ様、ですね。
疲れている一行の元に声をかけるローランさん。若い頃は美形…そしていまも文章からにじみ出るおじさまな色気にくらりと来てしまいました。ナイスガイの予感…!! 胸をときめかせていただきました(`・ω・´)
読んでいけば、WMOのお偉いさんだとか。おお…クロードくんイケメンの上に御曹司かっ! イケメンの御曹司に弱い私はノックアウト寸前ですよ。
ルナが初対面の振りをしたのが気になりますが…これから明らかになっていくのでしょうね。気になる…。
【EPISODE5】
海で休暇キターッ(゚∀゚)そしてやはりレンは本を読むのですか。ぜひとも惜しまないで胸板やら甲冑骨を晒していただきたいところですが、背中の傷があるのだから、しょうがないです。妄想で補います。
一方カノンちゃんは青のツーピース! ふぉおおお可愛いです…! 眼が届いても届かなくてもレンの眼力が四方にきかせられるのですね分かります。
《人一人が余裕で埋もれる砂の山が建立されている―――というか人間の足が二本生えている。言うまでもない。ビーチに出た途端、ここぞとばかりに絡んで来たどこぞの脳みそすかぷー女を、これまたここぞとばかりに目の前の男が制裁した結果だった》
(゚Д゚)
予想はしていましたが、やはりというか…あわれというか…。レンには容赦というものがないのですね!(笑)
《その向こうには水着の女の子にナンパを仕掛けてはビンタを喰らい、それでもめげずに復活し、またビンタを喰らい……を繰り返している愚か者の姿も見える》
こっちはもう腹筋抱えて笑わせていただきました。どんなにビンタをくらっても立ち上がるアルティオ…漢のなかの漢。あっ晴れなり。
次々と来る梧節にお腹抑えつつ、先に進めば、そこにはツンデレ好きには堪らない楽園が待っておりました(゚∀゚)ドヤ。
《だから。
奔放に、人の集まるクオノリアに行きたいという彼女の申し出を気が進まないながら承諾してしまった。思ってみれば、彼女もまだ二十に届かない若い娘なのだ。
本来なら、ああやって他の娘たちと戯れているのが本当の姿なのかもしれない。
自分のような孤独意識に、囚われて欲しくはない。
もう少し。
もう少しだけ、一人歩きが出来るまでに目を離せるようになったなら―――……》
「レンくんったら、ツンデレなんだから。早く捕まえちゃいなYO☆ でもできないんだよNE☆」と阿保全開のコメントが一瞬にして脳内を駆け巡ったのは言うまでもありません。
これでにやにや部門は終わりかな、と一息ついた所に、不意打ちでした。
やられました。油断しました。まさか、こんなに早く「彼」がお出ましになるとは…! 心の準備が出来ないままに「彼」の登場を迎えてしまいましたよ。
《顔を上げた先、腰掛けたチェアの傍らに彼は立っていた。
初めに感じたのは圧倒的な不和、違和感だった。思わず身構える。
年の頃は20前後。照りつける太陽の光が、しかし、彼の漆黒の滑らかな黒髪に降りて四散する。肌は日焼けとは縁遠いほど白く、長い髪の合間から覗いた瞳は深海の闇か、夕闇の黒か。大して年が離れているわけでもないだろうに、まだ少年と言っていいほど華奢で、しかし物腰は不相応に大人びて優雅。
それだけならば、まあ、場違いではあるが器量の良い少年の一言で片付いただろう。
だが、夏だというのに厚手の黒のコートを羽織り、裾から伸びた腕と首、そして顔の右半分が痛々しく包帯に覆われている。
》
「きゃぁあああああっ/// れーくんktkrえええ!!」と脳内でのたうちまわった私をどうぞ指差してわろてください。レアシスの出番を一番楽しみにしていたんです。ええ、もう本当に。
もう少し後に登場するかなーとあたりをつけていたのですが、見事に外れました。いや、当たったことないんですけど(笑)
兎にも角にも、念願のレアシスが眼の前に…(正しくはレンの眼の前に)! 胸躍らせて鼻息荒く文面を追わせていただきました。
《まともに波が彼女を覆う。
―――ッ!
『迂闊に手を離すと必ず後悔することになりますよ』
少年の余計な言葉が目の前をちらつく。
迷いなく、波へ足を踏み入れて飲まれそうな彼女の手首を間一髪で掴んだ。力任せに引き寄せる。 》
レン、なんという執ね…いや想いの強さよ…。ところで、水着のカノンを抱きよせた感触はいかがでしたか(`・ω・´)(コラ
最近ツンデレ観を見なおした所、ツンデレって言動と行動が不一致なことがままあるんですよね。行動にまで嘘つけないと言うか。なるほどこういうことかとによによさせていただきました。
ここまででも結構胸いっぱいだというのに、梧作品はさらにゴージャスな特典いや、もうこれはむしろメインディッシュだったのでしょう。私はそう考えました。
そう、レアシスの戦闘シーン……!!!
巧みな符術、澱みない詠唱、鮮やかな去り方までもが麗し過ぎて惚れました。
でも、レアシスが海にいたのも、合成獣が現れたのも、たぶんどっかでつながってるんだろうなーと思いました。いや、だってレアシスの華々しい登場の裏には、黒い事情があるのが世の理です。レアシスについて語るととまらないのでここで切っておきまする。
【EPISODE6】
ルナちゃん掘り下げ話ですね。改めてルナちゃんの一部を知ることができました。以前ちらりとルナちゃんの『月の館』時代をお聞きする機会があったので、より興味深く読ませていただきました。うーん。『月の館』時代も是非読んでみたい…。
《結局、彼女は組織に反旗を翻し、逆にその組織を壊滅に追い込んだ。その功績を讃えられ、今では政団にもWMOでも一目置かれる存在となっている。
普段、ふざけてはいるが、自分が犯罪行為に加担していた罪は消えるはずもなく。
心のどこかではその傷に痛めつけられているはずなのに。
カノンは、彼女の泣き言の一切を聞いた記憶はない。
だからこそ、不安なのだ。》
ルナちゃんの背中を撫で撫でしつつ、カノンの頭をわしゃわしゃしてあげたくなりました。親友って、難しい。うん。
元気のないカノンにに、アルティオは真摯な言葉をかけています。ちょっぴりカノンちゃんが浮上してよかったです。アルティオの快活で裏表のない性格、見ていて気持ちがいいですな。
クレイヴさん…ご愁傷様です。
【EPISODE7】
正直言うと、クレイヴさんが殺されたのはショックでした。ショックでしたが、このEPISODE7で再び「彼」が現れたことでけろりと立ち直ってしまいました。ごめん、クレイヴさん。
カノン一行は、どうやら大きな厄介事に巻き込まれつつあるようですね。果敢に進む姿が眩しいです。
そしてルナちゃんに会いに行くカノンちゃんの眼の前に現れたのは、「彼」。
香月さん、不意打ちというか、するりと「彼」を登場させるのが、上手すぎます。
《開いた距離に吹き抜けた潮風が一瞬、少年の髪を攫う。
「―――ッ!」
思わず息を飲んだ。
顔の半分を包帯で隠している、とは聞いていた。だが、もう左半分の整った顔。瞳は髪と同じ深い黒水晶。白く映るのは包帯だったが、肌もまた真綿のように白かった。
迂闊にも一瞬、見とれてしまった。 》
小春は一瞬どころか永遠にみとれていたい。と思いました。レアシスが正体を名乗る回が楽しみで仕方ありません…!
謎の少年のままの登場シーンも麗しいのに、本気の姿を見せる時は、一体全体、どんなふうになるのか楽しみです。
それから、シャルちゃん可愛いです♪ おしゃべりしてなかったのが残念でしたけど、「レアシスの腰にしがみついてるとかなにそれ可愛い美味しすぎる」となったので無問題。ごちそうさまでした。
《「もし、そうなら……どう思うも何もないじゃないの」
「?」
「人間は間違う生き物よ。だから戦争はする、喧嘩はする、下らないことで死んだりするし、後悔もする。当たり前のことよ」
「……そうですね」
「いつの時代だって、戦争が正当化されることはないわ。後から、あの戦争は間違いだった、とか言うけどそれは戦争なんかする前から解ってたことよ。
人間は馬鹿だからとんでもないことが起こってからしか後悔できない。でもね、後悔して置きながら戦争を繰り返そうとする奴がいたら、それは馬鹿を通り越して愚かとしか言えないわ」
「……それが、貴方の考え方、ですか…」 》
なるほど。カノンの考え方はさもありなん。レアシスはどう考えてるのかが気になります。
しかし、顎に指を置くレアシスがかっこよくてほんとにもう…。終始こんな感じで悶えてました。
《―――何か、隠してるわね……
ルナが忘れていることが一つ。
―――そういう態度ならこっちもとことんまで調べ上げてやろうじゃないのッ! あたしはそういう性分の持ち主よッ!
鼻息を荒げて、カノンは彼女が残したデザートを始末するべくフォークを手に取った。
》
やるなと言えばやりたくなるのが人の性ですよね。カノンの引き起こすトラブルが待ち遠しいです。(こら
【EPISODE8】
おお。風の術で音を聞こえなくして話し合いですか。外の音も聞こえないのに、レン、来客に気付くとはすごいです。
そして来ました銀髪イケメンクロードくん。こういう典型的な優等生の銀髪キャラ好きです。
だけど、あっさりと黒幕判明…? うーん。ちょっとここは疑ってかかることにします。
しかし…レン…どこまでも抜け目ない男。でも旅を続けていくうえで、お金大事ですよね。しっかりしてます。
騒動がおさまったあと、遠慮なくカノンの寝床にはいるルナにほんわか。女の子は仲良いのが一番です。
きちんと調べ物するカノン、偉い。
クロードが来て、なにやら不穏な雰囲気だなー。と見守っていたら、いきなり本性露わしてびっくり。
「疑っておいてよかった」とちょっとわけわからないことをおもってしまったことは内緒です。推理小説では犯人が当たったことございません。
【EPISODE9】
レン、過保護…ごほごほ。心配症ですね。落ち合う時間になっても来なくて心配するレン可愛いです。…とはいったものの、ルナちゃんをひとごみから救い出すようなスマートさがちょっと憎い(笑)
イケメンで背高くてさらっと助けてくれるって…どんだけ好条件なのでしょうか。でも深く知るとかなりの頑固者ですけれどネ(笑)
《「あ、あぁそぅ……。びっくりした。あんたのことだからこのままローラン切り殺しに行くかと思ったわ……」
「……貴様、俺を何だと…」
「……誘発的自動辻斬り凶器?」 》
………(゚∀゚)<イエテル。
カノンに何かあったら、もう大暴れしてしまうのだろうな、と少し達観した気分であります。
とりあえずカノン救出に向かうルナちゃんと誘発的自動辻斬り凶器くんでした―が、然うは問屋が卸さない。
町中に合成獣発生。うまく道をふさがれてしまいましたね。なんと用意周到な。時計塔で微笑む「彼」がいた辺りから、黒幕は「彼」に違いない。と確信がしました。鈍い事で有名な小春でございますが、今回だけは外れない自信がありますっ(笑)
この話でぐっと心を掴んだのは、ローラン様ですね。孫が人道にそむくことをしてしまって、その責任は自分にもあると告白した彼に完敗いたしました。
そしてラスト。縛られたカノンの様子を追いながら、「クロード逃げて超逃げて」と思ってしまいました。カノンも心配なのですけれど、誘発的自動辻斬り凶器くんがどうでるかが怖い…。
【EPISODE10】
ルナちゃん、すごいもの作っていらしたのですね。ますます『月の館』でなにがあったか気になります。ルナちゃんが「手を引け」といったのもこういった事情があったからなのですね。本当に友達想いな子です。
クロード…とんでもないことをしでかしていたのですね。でも、なんだか憎めない。そんなキャラです。ここらへんはもう一度読み直したい所です。
「あの方」
つまり、レアシスですね。分かります。待っていました。レアシスですね(大事なことなので二回言いました)
《と、思えば途中でひょい、と難なく受け止められて抱き上げられた。
「まったく毎度ながら、手間をかけさせるな」
「ごめ、けほッ、ごめん……」 》
難なく抱きあげられたかー。カノンちゃん無事でよかったです。……抱きあげられたににやっとさせていただきました。さりげなくかっこいいのが憎らしいですね。
ヴォルケーノの暴走を止めることができるのか、はらはらしながらページをめくります。
【EPISODE11】
今回の戦闘シーンには魔術がふんだんに使われていましたね。ルナちゃんの戦いぶりが可愛いです。
詠唱シーンがひときわわくわくしますね。自分では踏み込んだことのない領域なので、もう胸が躍りっぱなしです。
そして新月。れーくん…相変わらず儚いだとか少年だとか闇という単語がよう似合っておられる…///
《なその残骸を前にやはり、微笑みを絶やさないままで、しゃがみこんで"それ"の頭を取った。
「噛ませ犬、という言葉をご存知ですか、お嬢さん[sister]」
ぐしゃりッ 》
お嬢さん(sister)で、「きゃゎわわっ///」となったあと、ぐしゃりで「(゚Д゚)」となりました。何つぶしたのレアシス。
あ、頭か。ナルホド。すごい力ですね……。
《「……またお会いしましょう、お嬢さん方[Sisters]」
そう唇を動かして。
"彼"の姿は完全に夜闇の塵となって消えた……。 》
レンくんは「またお会いしたい」とは思っていなさそうですが、私はまたお会いしたいのでこっそり心の中で手を振りました。次の出番が楽しみです。
DeathPlayerHunterカノン[降魔への序曲] EPISODE Final
とりあえず、一話のエンドロールを迎えたといったところでしょうか。カノン一行、後始末お疲れ様です。
ローランさん、報われないですね。なんだか切ない…。
そしてやはり浮かび上がる「彼」の存在。カノンの言葉、レンが思い出したレアシスの言葉。これからどう物語が展開していくのか、不安なようなそれでいて待ち遠しいような、そんな気持ちです。
最後、レアシスと会話していたのは…エノ…? でしょうか。しかしレアシスの寝顔…! 見たい…(゚言゚)
乱文長文失礼いたしました。
また遊びに来ますーv
日和小春
こんにちは。「白砂の社」日和小春です。
ようやっとDPHカノン「降魔への序曲」を読了いたしましたので、感想を書き込みにまいりました。
前々からリク作品だとか、ギャラリーをちらちら鑑賞させていただきながら、香月さんの長編をじっくり読ませていただきました。
そして感想をちまちまメモして、やっとここまで…涙。とろい自分が情けなくもなりましたが、その分カノン達の冒険を長く味わえたのでよしといたします(`・ω・´)
拙い感想かもしれませんが、私が思ったこと、印象にのこったことなどなどを綴らせていただきますね。
【EPISODE1】
最初の入りから笑わせていただきました。流石香月さんです。
アルティオとシリアの歪みなさには、いっそ清き清しいほどの眩しい何かが感じられます。そして、レンとカノン、「世界最大の害悪」とまで言い切るか(笑)
そんな颯爽とした始まりに、胸躍らせて物語に旅立たせていただきました。
リゾート地かー。よくレンが行くのに納得したなーとかこっそり思ったのですが、後々微笑ましい理由が解明した際には存分ににやけさせていただきました。
次にアルティオとシリアと再会…かと思いきや、レン逃げるの早!!! なんて素早い身のこなしなのでしょうか。拍手せずにはいられません。
梧作品の魅力の一つをあげるとするならば、まずはキャラの掛け合いですね。打てば響き、むしろ放てば弾け返ってくるとでもいいましょうか。それほど小気味良いテンポなのです。
《「げほっ……誰のせいだと、けほっ、思ってんのよ! ったく、何を言い出すかと思えば……
ンな馬鹿なことあるわけ……」
怒鳴りかけたカノンの言葉が、唐突に切れた。
ふと。
言いかけた瞬間に、ある光景が頭を掠める。
さほど昔のことではない。第二政団を打ち倒した、その直後――》
これは、一体何があったのでしょう。気になるところです。どうも黒背景だと読むのがかなり遅くなるので、ブログの方を中心に見させていただいているのですが、むー…こちらを攻略したら、「novel」の方に挑戦したいですね。
この話で一番ツボに入ったのはクレイブさんでした。金髪に翡翠の瞳の超絶麗人。しかも御曹司。なのにきょどきょど。これはかなりくらっとさせていただきました。まあ梧作品での一番好きなキャラはレアシスなんですけれどもね。(←
そして携えてきたのは事件の依頼! 何が始まるんでしょう。ドキドキしながらページを捲ります。
【EPISODE2】
シリアに爆笑させていただきました。「割と」て(笑) 美少女ながらに、滑りにボケ、そして頭脳やプロポーションまでもが完璧なシリア嬢が大好きです。
さてはて合成獣(豪勢重って出て来る私のキーボードェ……)ですか。異世界FTをがっつり読むのは本当に久しぶりなので、FTワードにわくわくしっぱなしです。
生い茂る藪にキャーキャー言ってるシリアに微笑ましくなりつつ、蔦の生えた古いお屋敷の登場に少し背筋が寒くなりました。
異世界、または洋風FTに縁遠かったせいが、出て来る単語ひとつひとつが新鮮です。合成獣はもちろん、石哺獣(ガーゴイル)も。自分の知識の無さに辟易しつつも、言葉としてだけ知っていたガーゴイルをぐぐったり、やふったりする時間が楽しかったです。香月さんのFT解釈を是非お聞きしたいものです。
《慌ててぼうっと門前に突っ立っていた二人を塀の裏側へ押し出し、もしくは蹴り倒し。》
ひどい。だが素敵!(笑) 地の文でも失われないテンポの良さに惚れぼれいたします。私は地の文が単調になってしまいがちなので、見習いたい部分でもあります。
《「はー、すっきりしたー。やっぱり何かありそうだったら強行突破がストレス溜まんなくていいわねーv」
――……って、いうか。
「やっぱりあんたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
づどむっ
怒り任せに放ったカノンの飛び蹴りは鮮やかな直線と共に門を吹き飛ばした張本人――魔道師ルナ=ディスナーの頭へと突き刺さった》
鮮やかで思い切りのいいそれでいて容赦のないルナちゃんの登場には「きたきた♪」な気分でした。しかし直後の飛び蹴りは予想がつかなかった。思い切り笑わせていただきました。
【EPISODE3】
レンとカノンにルナが揃うと、何かが起こりそうで胸が高鳴りますね。それから、必ず笑わせていただいてます。ありがとう幼馴染組。
加えて、炭と化し、焦げたまま動かないシリアとアルティオにささやかではありますが、合掌。
カノンとレンの応酬も好きですが、レンとルナの掛け合いも気兼ねしない幼馴染って感じで大好きです。
レンの毒舌に痺れますねー。でも女の子に「猛獣」はあかんですよ。ツンデレおいしいですもぐもぐ。
かくして現れる合成獣。あばばばば、香月さんの描写はダイレクトに読者へイメージを伝えてくれるので、シリアと同じく悲鳴をあげたくなりました。伸びて来る蔦って…! 下半身が蔦って…!(涙
そして来ました。私が一番待ち望んでいた戦闘シーン! 臨場感たっぷりの戦闘シーンを追いかけるのが、すっごく楽しいのです。梧作品の魅力にまたひとつくわえさせていただきます。
仲間との連携もさることながら、武器をかかげて駆け抜けるカノンは、あふれ出るエネルギーみたいなものを感じさせてくれます。
そして、やはり容赦のないレンだったのでした…(笑)
【EPISODE4】
クレイヴさん…。どこまでも私をツボにさせる人…。「そーなんですかー…」ってOH……(笑)
とりあえずカノンPT御一行お疲れ様、ですね。
疲れている一行の元に声をかけるローランさん。若い頃は美形…そしていまも文章からにじみ出るおじさまな色気にくらりと来てしまいました。ナイスガイの予感…!! 胸をときめかせていただきました(`・ω・´)
読んでいけば、WMOのお偉いさんだとか。おお…クロードくんイケメンの上に御曹司かっ! イケメンの御曹司に弱い私はノックアウト寸前ですよ。
ルナが初対面の振りをしたのが気になりますが…これから明らかになっていくのでしょうね。気になる…。
【EPISODE5】
海で休暇キターッ(゚∀゚)そしてやはりレンは本を読むのですか。ぜひとも惜しまないで胸板やら甲冑骨を晒していただきたいところですが、背中の傷があるのだから、しょうがないです。妄想で補います。
一方カノンちゃんは青のツーピース! ふぉおおお可愛いです…! 眼が届いても届かなくてもレンの眼力が四方にきかせられるのですね分かります。
《人一人が余裕で埋もれる砂の山が建立されている―――というか人間の足が二本生えている。言うまでもない。ビーチに出た途端、ここぞとばかりに絡んで来たどこぞの脳みそすかぷー女を、これまたここぞとばかりに目の前の男が制裁した結果だった》
(゚Д゚)
予想はしていましたが、やはりというか…あわれというか…。レンには容赦というものがないのですね!(笑)
《その向こうには水着の女の子にナンパを仕掛けてはビンタを喰らい、それでもめげずに復活し、またビンタを喰らい……を繰り返している愚か者の姿も見える》
こっちはもう腹筋抱えて笑わせていただきました。どんなにビンタをくらっても立ち上がるアルティオ…漢のなかの漢。あっ晴れなり。
次々と来る梧節にお腹抑えつつ、先に進めば、そこにはツンデレ好きには堪らない楽園が待っておりました(゚∀゚)ドヤ。
《だから。
奔放に、人の集まるクオノリアに行きたいという彼女の申し出を気が進まないながら承諾してしまった。思ってみれば、彼女もまだ二十に届かない若い娘なのだ。
本来なら、ああやって他の娘たちと戯れているのが本当の姿なのかもしれない。
自分のような孤独意識に、囚われて欲しくはない。
もう少し。
もう少しだけ、一人歩きが出来るまでに目を離せるようになったなら―――……》
「レンくんったら、ツンデレなんだから。早く捕まえちゃいなYO☆ でもできないんだよNE☆」と阿保全開のコメントが一瞬にして脳内を駆け巡ったのは言うまでもありません。
これでにやにや部門は終わりかな、と一息ついた所に、不意打ちでした。
やられました。油断しました。まさか、こんなに早く「彼」がお出ましになるとは…! 心の準備が出来ないままに「彼」の登場を迎えてしまいましたよ。
《顔を上げた先、腰掛けたチェアの傍らに彼は立っていた。
初めに感じたのは圧倒的な不和、違和感だった。思わず身構える。
年の頃は20前後。照りつける太陽の光が、しかし、彼の漆黒の滑らかな黒髪に降りて四散する。肌は日焼けとは縁遠いほど白く、長い髪の合間から覗いた瞳は深海の闇か、夕闇の黒か。大して年が離れているわけでもないだろうに、まだ少年と言っていいほど華奢で、しかし物腰は不相応に大人びて優雅。
それだけならば、まあ、場違いではあるが器量の良い少年の一言で片付いただろう。
だが、夏だというのに厚手の黒のコートを羽織り、裾から伸びた腕と首、そして顔の右半分が痛々しく包帯に覆われている。
》
「きゃぁあああああっ/// れーくんktkrえええ!!」と脳内でのたうちまわった私をどうぞ指差してわろてください。レアシスの出番を一番楽しみにしていたんです。ええ、もう本当に。
もう少し後に登場するかなーとあたりをつけていたのですが、見事に外れました。いや、当たったことないんですけど(笑)
兎にも角にも、念願のレアシスが眼の前に…(正しくはレンの眼の前に)! 胸躍らせて鼻息荒く文面を追わせていただきました。
《まともに波が彼女を覆う。
―――ッ!
『迂闊に手を離すと必ず後悔することになりますよ』
少年の余計な言葉が目の前をちらつく。
迷いなく、波へ足を踏み入れて飲まれそうな彼女の手首を間一髪で掴んだ。力任せに引き寄せる。 》
レン、なんという執ね…いや想いの強さよ…。ところで、水着のカノンを抱きよせた感触はいかがでしたか(`・ω・´)(コラ
最近ツンデレ観を見なおした所、ツンデレって言動と行動が不一致なことがままあるんですよね。行動にまで嘘つけないと言うか。なるほどこういうことかとによによさせていただきました。
ここまででも結構胸いっぱいだというのに、梧作品はさらにゴージャスな特典いや、もうこれはむしろメインディッシュだったのでしょう。私はそう考えました。
そう、レアシスの戦闘シーン……!!!
巧みな符術、澱みない詠唱、鮮やかな去り方までもが麗し過ぎて惚れました。
でも、レアシスが海にいたのも、合成獣が現れたのも、たぶんどっかでつながってるんだろうなーと思いました。いや、だってレアシスの華々しい登場の裏には、黒い事情があるのが世の理です。レアシスについて語るととまらないのでここで切っておきまする。
【EPISODE6】
ルナちゃん掘り下げ話ですね。改めてルナちゃんの一部を知ることができました。以前ちらりとルナちゃんの『月の館』時代をお聞きする機会があったので、より興味深く読ませていただきました。うーん。『月の館』時代も是非読んでみたい…。
《結局、彼女は組織に反旗を翻し、逆にその組織を壊滅に追い込んだ。その功績を讃えられ、今では政団にもWMOでも一目置かれる存在となっている。
普段、ふざけてはいるが、自分が犯罪行為に加担していた罪は消えるはずもなく。
心のどこかではその傷に痛めつけられているはずなのに。
カノンは、彼女の泣き言の一切を聞いた記憶はない。
だからこそ、不安なのだ。》
ルナちゃんの背中を撫で撫でしつつ、カノンの頭をわしゃわしゃしてあげたくなりました。親友って、難しい。うん。
元気のないカノンにに、アルティオは真摯な言葉をかけています。ちょっぴりカノンちゃんが浮上してよかったです。アルティオの快活で裏表のない性格、見ていて気持ちがいいですな。
クレイヴさん…ご愁傷様です。
【EPISODE7】
正直言うと、クレイヴさんが殺されたのはショックでした。ショックでしたが、このEPISODE7で再び「彼」が現れたことでけろりと立ち直ってしまいました。ごめん、クレイヴさん。
カノン一行は、どうやら大きな厄介事に巻き込まれつつあるようですね。果敢に進む姿が眩しいです。
そしてルナちゃんに会いに行くカノンちゃんの眼の前に現れたのは、「彼」。
香月さん、不意打ちというか、するりと「彼」を登場させるのが、上手すぎます。
《開いた距離に吹き抜けた潮風が一瞬、少年の髪を攫う。
「―――ッ!」
思わず息を飲んだ。
顔の半分を包帯で隠している、とは聞いていた。だが、もう左半分の整った顔。瞳は髪と同じ深い黒水晶。白く映るのは包帯だったが、肌もまた真綿のように白かった。
迂闊にも一瞬、見とれてしまった。 》
小春は一瞬どころか永遠にみとれていたい。と思いました。レアシスが正体を名乗る回が楽しみで仕方ありません…!
謎の少年のままの登場シーンも麗しいのに、本気の姿を見せる時は、一体全体、どんなふうになるのか楽しみです。
それから、シャルちゃん可愛いです♪ おしゃべりしてなかったのが残念でしたけど、「レアシスの腰にしがみついてるとかなにそれ可愛い美味しすぎる」となったので無問題。ごちそうさまでした。
《「もし、そうなら……どう思うも何もないじゃないの」
「?」
「人間は間違う生き物よ。だから戦争はする、喧嘩はする、下らないことで死んだりするし、後悔もする。当たり前のことよ」
「……そうですね」
「いつの時代だって、戦争が正当化されることはないわ。後から、あの戦争は間違いだった、とか言うけどそれは戦争なんかする前から解ってたことよ。
人間は馬鹿だからとんでもないことが起こってからしか後悔できない。でもね、後悔して置きながら戦争を繰り返そうとする奴がいたら、それは馬鹿を通り越して愚かとしか言えないわ」
「……それが、貴方の考え方、ですか…」 》
なるほど。カノンの考え方はさもありなん。レアシスはどう考えてるのかが気になります。
しかし、顎に指を置くレアシスがかっこよくてほんとにもう…。終始こんな感じで悶えてました。
《―――何か、隠してるわね……
ルナが忘れていることが一つ。
―――そういう態度ならこっちもとことんまで調べ上げてやろうじゃないのッ! あたしはそういう性分の持ち主よッ!
鼻息を荒げて、カノンは彼女が残したデザートを始末するべくフォークを手に取った。
》
やるなと言えばやりたくなるのが人の性ですよね。カノンの引き起こすトラブルが待ち遠しいです。(こら
【EPISODE8】
おお。風の術で音を聞こえなくして話し合いですか。外の音も聞こえないのに、レン、来客に気付くとはすごいです。
そして来ました銀髪イケメンクロードくん。こういう典型的な優等生の銀髪キャラ好きです。
だけど、あっさりと黒幕判明…? うーん。ちょっとここは疑ってかかることにします。
しかし…レン…どこまでも抜け目ない男。でも旅を続けていくうえで、お金大事ですよね。しっかりしてます。
騒動がおさまったあと、遠慮なくカノンの寝床にはいるルナにほんわか。女の子は仲良いのが一番です。
きちんと調べ物するカノン、偉い。
クロードが来て、なにやら不穏な雰囲気だなー。と見守っていたら、いきなり本性露わしてびっくり。
「疑っておいてよかった」とちょっとわけわからないことをおもってしまったことは内緒です。推理小説では犯人が当たったことございません。
【EPISODE9】
レン、過保護…ごほごほ。心配症ですね。落ち合う時間になっても来なくて心配するレン可愛いです。…とはいったものの、ルナちゃんをひとごみから救い出すようなスマートさがちょっと憎い(笑)
イケメンで背高くてさらっと助けてくれるって…どんだけ好条件なのでしょうか。でも深く知るとかなりの頑固者ですけれどネ(笑)
《「あ、あぁそぅ……。びっくりした。あんたのことだからこのままローラン切り殺しに行くかと思ったわ……」
「……貴様、俺を何だと…」
「……誘発的自動辻斬り凶器?」 》
………(゚∀゚)<イエテル。
カノンに何かあったら、もう大暴れしてしまうのだろうな、と少し達観した気分であります。
とりあえずカノン救出に向かうルナちゃんと誘発的自動辻斬り凶器くんでした―が、然うは問屋が卸さない。
町中に合成獣発生。うまく道をふさがれてしまいましたね。なんと用意周到な。時計塔で微笑む「彼」がいた辺りから、黒幕は「彼」に違いない。と確信がしました。鈍い事で有名な小春でございますが、今回だけは外れない自信がありますっ(笑)
この話でぐっと心を掴んだのは、ローラン様ですね。孫が人道にそむくことをしてしまって、その責任は自分にもあると告白した彼に完敗いたしました。
そしてラスト。縛られたカノンの様子を追いながら、「クロード逃げて超逃げて」と思ってしまいました。カノンも心配なのですけれど、誘発的自動辻斬り凶器くんがどうでるかが怖い…。
【EPISODE10】
ルナちゃん、すごいもの作っていらしたのですね。ますます『月の館』でなにがあったか気になります。ルナちゃんが「手を引け」といったのもこういった事情があったからなのですね。本当に友達想いな子です。
クロード…とんでもないことをしでかしていたのですね。でも、なんだか憎めない。そんなキャラです。ここらへんはもう一度読み直したい所です。
「あの方」
つまり、レアシスですね。分かります。待っていました。レアシスですね(大事なことなので二回言いました)
《と、思えば途中でひょい、と難なく受け止められて抱き上げられた。
「まったく毎度ながら、手間をかけさせるな」
「ごめ、けほッ、ごめん……」 》
難なく抱きあげられたかー。カノンちゃん無事でよかったです。……抱きあげられたににやっとさせていただきました。さりげなくかっこいいのが憎らしいですね。
ヴォルケーノの暴走を止めることができるのか、はらはらしながらページをめくります。
【EPISODE11】
今回の戦闘シーンには魔術がふんだんに使われていましたね。ルナちゃんの戦いぶりが可愛いです。
詠唱シーンがひときわわくわくしますね。自分では踏み込んだことのない領域なので、もう胸が躍りっぱなしです。
そして新月。れーくん…相変わらず儚いだとか少年だとか闇という単語がよう似合っておられる…///
《なその残骸を前にやはり、微笑みを絶やさないままで、しゃがみこんで"それ"の頭を取った。
「噛ませ犬、という言葉をご存知ですか、お嬢さん[sister]」
ぐしゃりッ 》
お嬢さん(sister)で、「きゃゎわわっ///」となったあと、ぐしゃりで「(゚Д゚)」となりました。何つぶしたのレアシス。
あ、頭か。ナルホド。すごい力ですね……。
《「……またお会いしましょう、お嬢さん方[Sisters]」
そう唇を動かして。
"彼"の姿は完全に夜闇の塵となって消えた……。 》
レンくんは「またお会いしたい」とは思っていなさそうですが、私はまたお会いしたいのでこっそり心の中で手を振りました。次の出番が楽しみです。
DeathPlayerHunterカノン[降魔への序曲] EPISODE Final
とりあえず、一話のエンドロールを迎えたといったところでしょうか。カノン一行、後始末お疲れ様です。
ローランさん、報われないですね。なんだか切ない…。
そしてやはり浮かび上がる「彼」の存在。カノンの言葉、レンが思い出したレアシスの言葉。これからどう物語が展開していくのか、不安なようなそれでいて待ち遠しいような、そんな気持ちです。
最後、レアシスと会話していたのは…エノ…? でしょうか。しかしレアシスの寝顔…! 見たい…(゚言゚)
乱文長文失礼いたしました。
また遊びに来ますーv
日和小春
DPHカノン「降魔への序曲」感想 ご返信
>>日和小春様
こんばんは。梧香月です。
いつもお世話になっております。そしてDPHカノンSTORY1完読お疲れ様でした! 心からありがとうございます。長い作品ですので、大変でしたでしょう^^;
【EPSODE1】
アルティオとシリアは歪まないからこそ彼らですね(笑)。彼らが出て来ると何故か安心します。レンのシリアに対する逃げ足の早さはデフォルトです(`・ω・´)
キャラクターの掛け合いのお褒めの言葉、ありがとうございました。彼らはちょっと黙ってろくらいの速度で喋ってくれますねw
【EPISODE2】
シリアはスタイル抜群、美人、才色兼備、花嫁修業完璧、というところまで揃って置きながら残念な娘さんです。彼女の友人は退屈しないでしょうが、大変でしょうねwww
FTは奥が深いですよー。語り出したらきっと止まらない自信があります。
基本的にDPHカノンの地の文は反射神経で書き、反射神経で会話を書くので考え過ぎないことがこつかもしれないです(笑)。
幼馴染5人組はお互いに容赦がないのが、仲良しの証です!
【EPISODE3】
レンは基本的に酷いのがデフォルトでございます。木を倒した後に、絶対に「チッ」と舌打ちしていたと信じています。
合成獣は如何に気味悪く書くかにかけているので、嬉しいお言葉です。下半身蔦って気味悪いですよね!(お前が言うな)戦闘シーンは四苦八苦しながら書いております。何しろ今回は5人も主役がいるので、それぞれの動きを無駄にしないようにしたいです(`・ω・´)
【EPISODE4】
クレイヴとクロードの株が高いことに驚きw
ローランは密かにロマンスグレイのおじさまを想起して書いていました。いいですよね、熟年の色気(何言ってるんだ)。
【EPISODE5】
あの面子で海に行ったら、こんなイベントしか発生しません(笑)。
明らかなギャグ描写に件の麗人をいきなり差し込むわけにいかないので、ヒーロー(?)のツンデレ語りを入れてみました。第一部ではレンの内面はそれ程語られないストーリーになるので、第二部で思い切りやりたかったのです。レンにはきちんとカノンを探し出す為のセンサーが装備されていると思います。
”彼”は空気と共にどこからそこに出た、くらいのさり気無さでご登場頂きたかったので伝わったようで何よりです^^ それでこそ”彼”が闇の麗人たる所以でございます。
【EPISODE6】
ルナちんはおそらく5人の中では一番、不幸パラメータが高いのではないかな、と思います。でも自立心も一番高かったので、仲間になかなか打ち明けたり出来ないんですよね(´・ω・`)
ルナもカノンも親友なのですが、離れていた時間が長すぎて、大人のなり方もかなり違った2人なので手が伸ばせずにいます。友達の距離って難しい。
【EPISODE7】
”彼”はカノンから見ても美形の美人さんです。結構、細かい描写をさせて頂いてます。でも残念なことにカノンは面食いではなかった(笑)。原作のシャルはあんまり喋らないんですね。でも性格はあまり変わりません。あのまんまです。何か並べたら黒髪だし、兄妹に見えるだろうな、と^^
【EPISODE8】
カノンもお金に汚いですが、レンはさらに汚い…というか抜け目のない性格してますね。傭兵同然だからね! お金大事! お財布はお互いにしっかり紐を握っている面子です。
カノンとルナは結局は仲が良いんですよね。仲が良いから衝突する親友を目指しています。
【EPISODE9】
レンは何であんな頑固なくせに、微妙なところでレディファーストに育っちまったんでしょうねwww そんな息子が大好きです。原作の彼はカノンに何かあったらとりあえず何も言わずに抜刀します。男なら真顔で抜刀くらいの人間です。ごめんなさい、どこでも割とそうでした。
何故か高いところがしっくりくる黒い子です(笑)。
【EPISODE10】
『月の館』も外伝としてぜひ書きたいですねぇ。結構、濃い中身になりました。彼女が「手を引け」と言っていた理由には、実はもう一本深い意味もあるのですが、それは先のお話なので伏せて置きます。
さり気なく格好いいのが憎らしいwww 仰る通りwww
【EPISODE11】
戦闘シーンをお褒め頂き、嬉しいです。やはり頑張って書いてるところをそう言って頂けると嬉しいですね。
黒い子は細腕なのに、怪力がステータスの御方です。この後も結構なえげつないことをさらっとやってしまわれるので、お気をつけください^^; 会いたくないと思っていても長いお付き合いになるので大丈夫です(`・ω・´)キリッ
【EPISODE Final】
原作は切ない終わり方をしますね…。続きが気になるというお言葉は長編書きにとって何よりの感想です。
最後に黒い子と会話しているのはエノですね。彼のご登場はまた次回となります^^ 黒い子の寝顔は私も眺めたい。遠目で。
最後まで完読頂き、また細かな感想もくださり、ありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです^^
では、また^^
梧香月
こんばんは。梧香月です。
いつもお世話になっております。そしてDPHカノンSTORY1完読お疲れ様でした! 心からありがとうございます。長い作品ですので、大変でしたでしょう^^;
【EPSODE1】
アルティオとシリアは歪まないからこそ彼らですね(笑)。彼らが出て来ると何故か安心します。レンのシリアに対する逃げ足の早さはデフォルトです(`・ω・´)
キャラクターの掛け合いのお褒めの言葉、ありがとうございました。彼らはちょっと黙ってろくらいの速度で喋ってくれますねw
【EPISODE2】
シリアはスタイル抜群、美人、才色兼備、花嫁修業完璧、というところまで揃って置きながら残念な娘さんです。彼女の友人は退屈しないでしょうが、大変でしょうねwww
FTは奥が深いですよー。語り出したらきっと止まらない自信があります。
基本的にDPHカノンの地の文は反射神経で書き、反射神経で会話を書くので考え過ぎないことがこつかもしれないです(笑)。
幼馴染5人組はお互いに容赦がないのが、仲良しの証です!
【EPISODE3】
レンは基本的に酷いのがデフォルトでございます。木を倒した後に、絶対に「チッ」と舌打ちしていたと信じています。
合成獣は如何に気味悪く書くかにかけているので、嬉しいお言葉です。下半身蔦って気味悪いですよね!(お前が言うな)戦闘シーンは四苦八苦しながら書いております。何しろ今回は5人も主役がいるので、それぞれの動きを無駄にしないようにしたいです(`・ω・´)
【EPISODE4】
クレイヴとクロードの株が高いことに驚きw
ローランは密かにロマンスグレイのおじさまを想起して書いていました。いいですよね、熟年の色気(何言ってるんだ)。
【EPISODE5】
あの面子で海に行ったら、こんなイベントしか発生しません(笑)。
明らかなギャグ描写に件の麗人をいきなり差し込むわけにいかないので、ヒーロー(?)のツンデレ語りを入れてみました。第一部ではレンの内面はそれ程語られないストーリーになるので、第二部で思い切りやりたかったのです。レンにはきちんとカノンを探し出す為のセンサーが装備されていると思います。
”彼”は空気と共にどこからそこに出た、くらいのさり気無さでご登場頂きたかったので伝わったようで何よりです^^ それでこそ”彼”が闇の麗人たる所以でございます。
【EPISODE6】
ルナちんはおそらく5人の中では一番、不幸パラメータが高いのではないかな、と思います。でも自立心も一番高かったので、仲間になかなか打ち明けたり出来ないんですよね(´・ω・`)
ルナもカノンも親友なのですが、離れていた時間が長すぎて、大人のなり方もかなり違った2人なので手が伸ばせずにいます。友達の距離って難しい。
【EPISODE7】
”彼”はカノンから見ても美形の美人さんです。結構、細かい描写をさせて頂いてます。でも残念なことにカノンは面食いではなかった(笑)。原作のシャルはあんまり喋らないんですね。でも性格はあまり変わりません。あのまんまです。何か並べたら黒髪だし、兄妹に見えるだろうな、と^^
【EPISODE8】
カノンもお金に汚いですが、レンはさらに汚い…というか抜け目のない性格してますね。傭兵同然だからね! お金大事! お財布はお互いにしっかり紐を握っている面子です。
カノンとルナは結局は仲が良いんですよね。仲が良いから衝突する親友を目指しています。
【EPISODE9】
レンは何であんな頑固なくせに、微妙なところでレディファーストに育っちまったんでしょうねwww そんな息子が大好きです。原作の彼はカノンに何かあったらとりあえず何も言わずに抜刀します。男なら真顔で抜刀くらいの人間です。ごめんなさい、どこでも割とそうでした。
何故か高いところがしっくりくる黒い子です(笑)。
【EPISODE10】
『月の館』も外伝としてぜひ書きたいですねぇ。結構、濃い中身になりました。彼女が「手を引け」と言っていた理由には、実はもう一本深い意味もあるのですが、それは先のお話なので伏せて置きます。
さり気なく格好いいのが憎らしいwww 仰る通りwww
【EPISODE11】
戦闘シーンをお褒め頂き、嬉しいです。やはり頑張って書いてるところをそう言って頂けると嬉しいですね。
黒い子は細腕なのに、怪力がステータスの御方です。この後も結構なえげつないことをさらっとやってしまわれるので、お気をつけください^^; 会いたくないと思っていても長いお付き合いになるので大丈夫です(`・ω・´)キリッ
【EPISODE Final】
原作は切ない終わり方をしますね…。続きが気になるというお言葉は長編書きにとって何よりの感想です。
最後に黒い子と会話しているのはエノですね。彼のご登場はまた次回となります^^ 黒い子の寝顔は私も眺めたい。遠目で。
最後まで完読頂き、また細かな感想もくださり、ありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです^^
では、また^^
梧香月
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梧香月
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女性
趣味:
執筆・落書き・最近お散歩が好きです
自己紹介:
ギャグを描きたいのか、暗いものを描きたいのか、よくわからない小説書き。気の赴くままにカリカリしています。
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THE Second:剣奉る巫女
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11Final
THE Third:慟哭の月
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Final
THE Four:ゼルゼイルの旅路
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